【マッキンゼー・アンド・カンパニー ビジネスアナリスト 新卒採用 23卒 夏 選考情報】
更新日:
企業名 : マッキンゼー・アンド・カンパニー
受験時期 : 2021年5月〜7月
受験コース : ビジネスアナリスト・国内大新卒
選考情報
選考 : 2023年国内大学新卒採用(サマー)
選考フロー : ES→ゲーム選考→1次面接→2次面接→3次面接→内定
内定者数 : 2021年9月(サマーまで)時点で20人程度
エントリーシート
質問項目
コンサルタント職を志望する理由(100-200字程度)
マッキンゼーを志望する理由(100-200字程度)
評価ポイント : 日本語として簡潔明瞭かつ論理的な文章が書けているかどうか。後半のパートナーとの面接でも読まれている感じはしなかったので、あまり重視されていないと思う
結果連絡の時期 : 締め切りから二営業日後(4月28日)
筆記試験
種類 : ゲーム選考
内容 : あらかじめ用意された環境の中で動植物を7種選んで持続可能な生態系をつくる(1回)、②侵入してくる外敵に対して地形や動物を配置しながら中央の植物が成長するターンまで守り抜く(3回)
対策方法/対策期間 : 事前にできる対策はあまりないと思われる。ゲーム説明・チュートリアルが行われている間は持ち時間が減らないので説明をじっくり読んで、ルールについてメモを取りながらよく把握することが大切。①の生態系に関してはピラミッドを作ることを意識して、捕食→被捕食の関係性を考えていくのだが、被捕食にあたる種が途絶えてしまわないようになるべく複数種が捕食の対象になるよう分散させること、選択した環境の様子(温度や風向、天気など)を見て生き延びられる動植物を選択することが重要になる。②はタワーディフェンスゲームに近いが、難易度が徐々に上がるのでその場で侵入してくる外敵だけに注目するのではなく、余裕がある時は侵入されると困る経路を事前に塞いでおいたり防御策を講じておくと対応しやすいと思う。時間はかなり多めに設定されており、またどちらも焦って計画性のない動きをすると減点されると思われるので一つ一つの行動の意味を意識するようにしていた。
結果連絡の時期 : 受験日から11日後(5月20日)
面接1
何次選考 : 1次選考(6月14日)
形式 : 1:1
面接官の人数 : 1人
面接官 : 男性、エンゲージメント・マネージャー
時間 : 30分
評価ポイント
・幅出しができる
・「他には?」と言われたら諦めずに考えて何かしら絞り出せる
・問題の前提についてわからないことはわからないと聞ける
・間違ったことを言ってしまったときに取り乱したり思考停止したりしない
・面接官が助け舟を出してくれたときにそれに乗って考えることができる"
質問内容 : ある病院について。近隣に競合がとなりうる病院が建設されるという状況で
①競合から受けると考えられる影響を考察するための要素を構造的・網羅的に述べる、
②クライアントの病院の経営状況について表を見て自由に述べる
①の回答はクライアントの病院と競合の病院について比較することを目的に、
a経営理念、ターゲットとする顧客層
b開設されている(する予定の)診療科
cスタッフの職種、人数、給与水準
dスタッフ、特に医師の実績
e診療にかかる患者側の費用
について調査すると述べた。
その上で、顧客が競合状態にある診療科へ流れていく・価格競争が起こることで病院の収入が減少する可能性(ターゲットとする顧客層が異なれば影響は比較的小さく済む場合も考えられる)
クライアントから競合(あるいは逆方向)へスタッフが流出しクライアントの病院の提供するサービスの質が変動する可能性があると回答した。
回答後、面接官からは患者の減少とそれに伴う収入源が起こる可能性についてより議論したいと言われ、具体的に患者が病院を選ぶ要因としてはどのようなものがありうるかと聞かれた。
そのため、待ち時間、清潔さ、医師の質、接客の丁寧さ、保険適用の有無が考えられると答えると「他には?」と聞かれたので、病院へのアクセスや周辺環境など立地もありうるというと納得された。
②の回答については表に各診療科の年ごとの経営コスト、患者一人当たりの収入、患者数があったため、緊急救命の収支がプラスマイナスゼロになっていることについて指摘し、原因としては、こうした緊急医療を利用するのは近隣の貧しい人々が多く、大規模な治療をしないからではないか、一方で救急の役割上常に受け入れ態勢を整えておく必要があるためにコストは向上的にかかっているからではないかと回答した。
面接官からは、赤字の診療科はどこか?と言われて(診療科の数がいくつもあったので)計算に戸惑っていると大雑把に比率を考えてみようと言われ、一緒にいくつかの診療科の経営状態を見ていった。
最終的に競合が得意とする心臓外科について、クライアントの患者が仮にゼロになった場合、心臓内科(?)でその売り上げをカバーできるか?と聞かれたので計算過程を示して、できないと答えると面接が終わった。
面接官の雰囲気 : 最初の感触としてはやや堅めでアイスブレイクもなくケース面接に関する簡単な説明だけだったが、間違えたときは考えるコツを教えてくれたり、自分の出したアイディアを褒めてくれたりした。終わった後に「何か聞きたいことはありますか?」と尋ねられた。
結果連絡の時期 : 面接から三営業日後(6月17日)
面接2
何次選考 : 2次選考(6月24日)
形式 : 1:1
面接官の人数 : 1人
面接官 : 女性、アソシエイト
時間 : 30分
評価ポイント
・幅出しが既存のフレームワークに捉われず構造的・網羅的にできている
・図表からの分析や計算過程がクリアに説明できる
・突然の質問にも即座に対応でき説得力のある意見をデータに基づいて述べることができる
質問内容 : ある旅行会社について。①顧客へのアプローチとして考えられるものを構造的・網羅的に述べる、②売り上げの内訳を競合他社と比較したグラフを見て「数値に基づいた考察」(ただ数値を指摘することは避けるよう強調された)を述べる+この事業で成功するために重要だと思われる点、③施策によってどのくらい利益が増えるかの計算問題
①の回答としては、アプローチがスマホアプリを使ったものだということを伝えられていたので、顧客の一連の消費行動になぞらえて各プロセスにおいてどのような接触が可能かを検討すると述べ、以下の段階に分けて回答した。
a旅行しようと思う
→この時点では何をするかについてイメージが固まっていないためアプリ経由で様々なプランや景色を提示することで自社選択率をあげる
b情報を集めて具体的な日程や行き先を検討する
→日程や行先について検討しやすいようにより詳しいツアーの情報を提供し、細かな魅力を伝える
c旅行計画を立てる
→移動方法や過ごし方について積極的に提案し、施工コストを削減することで予約までシームレスにつなげる
dクライアントのツアーを予約する
→割引や追加の無料サービスを含む予約プランを伝える
e旅行の準備をする
→準備しておくべきものやチェックリストを提示し、旅行にかかる手間を減らす
fツアーの集合地点まで移動する
→アプリを使って当日の移動手段の予約をしたり配車サービスと連携して楽に移動できるようにする(帰りも同じ)
gツアーに参加する
→参加中の楽しみ方の提案やSNSでのシェアを盛り上げるようなスタンプラリーやポイントサービス等を提供する
hツアーが終わって家に帰る
Iツアーに関する情報を事後的にシェアする
→ツアー後にツアー中の景色や思い出を回想させ事後的に人に話すときやSNSにシェアするときの材料を提供する
回答についてはわかりやすく、また良い視点だと思うとコメントをもらった。
②の回答については、競合2社とクライアントのツアー参加料金、参加中の消費額に差異があること、競合aは安定的に成長している一方で競合bは近年になって大きく成長していることを指摘し、競合aは高級路線で全体的に顧客の消費金額が高いこと、競合bは低価格路線で参加料金を低く抑えているが参加中の使用金額が高いため魅力的なアトラクションやサービスがあってつい多く使ってしまうような構造になっているのではないかと答えた。
クライアントについては競合bより多少参加料金が高いにもかかわらずツアー中の消費金額が小さく、また近年成長が鈍化していることを挙げ、ブランディングとして高価格にも低価格にも振り切れていないせいで中途半端な状態にあると述べた。
その後、追加でこの業界の勝ちパターンは何かと質問されたのでブランディングの確立であると答え、旅行という性質上中価格帯は支持されにくい傾向があるために、よほど差別化の要因がない限りは参加料金として手軽・ファミリーで行ける低価格か、少人数あるいは富裕層をターゲットにした高価格かのどちらかに照準を合わせ、全体的なサービスをターゲットに合わせて充実させる必要があると答えた。
③については、現状の消費金額×アプリの導入によって増加する割合-アプリの導入にかかるコスト、で利益がどの程度確保されるかという問題だったと思う。計算途中で声をかけられ計算課程について説明したところ、特に問題なくクリアな答え方であると評価されて終わった。
雰囲気 : フランクで最初に自分のサークルや専攻について聞いてくれ、緊張をほぐそうとしてくれた。アドバイスなどはなかったが各設問ごとに面接官が良いと思った点を伝えてくれた。終わりに質問時間はなかったが、よかったところを総括して教えてくれた。
結果連絡の時期 : 面接から1営業日後(6月25日)
面接3
何次選考 : 3次選考(7月1日, 2日)パートナーとの面接が3回
形式 : 1:1
面接官の人数 : 各回1人
面接官
①男性、パートナー
②男性、パートナー
③女性、パートナー
時間 : 人事からの案内としてはパーソナリティーに関する面接20分とケース面接30分で50分(①と③はケースが早く終わったので35-40分くらいだった、②はケースは早く終わったがその後質問時間を取ってくれたので50分ちょうどくらいだった)
評価ポイント
パーソナリティー)
・コンサルタントとしてのWLBで言えばW寄りの働き方に対して適応できるか
・リーダーシップや多様性、チームワークに対する理解や能力があるか
・自分の弱みや強みを理解し言語化できるか
・トラブルや課題が起こったときに的確な原因分析と対処ができるか
ケース)
・幅出しが十分できる
・幅出しした事柄について、自分のポジションを取ってどの要素が重要か理由を持って述べることができる
・突然発展的な内容を尋ねられてもうろたえたりしない(自分はすぐに答えたが考える時間をもらうことは減点にならないと言われた)
・図表を見たときにもなるべく多くの示唆と解決策を提示できる、深掘りされても黙らずに答えることができる
・計算は間違えても計算過程は間違っていない
質問内容
①自分の話に対して常に興味を示してくれ、和やかな面接になった。自己紹介のときに修士だと言うと研究の話を尋ねられ、二人とも文系だったのでしばらく研究談義をした。ヒントを出してくれる等はなかったが、ニッチなメーカーの話だったので説明を丁寧にしてくれただけでなく、しばしばアイコンタクトを取りながら話を聞いてくれた。
②面接官の中で最も丁寧に話をしてくれ、また聞いてくれた。自分の志望動機やパッションに非常に共感を示してくれ、最後に余った時間は面接官自身の思いを交えて質問に答えてもらった。質問と質問の意図をセットで話してくれたほか、こちらが悩んでいるときは助け舟を出してくれることもあった。アイコンタクトは自分が話している間は常に取ってくれた。面接は全体的にとても和やかだった。
③前の二人とは違って終始緊張感のある面接だった。アイコンタクトはほとんどなく、パーソナリティーの面接では自分の話に対して多少批判的なレスポンスが返ってきたし、特に雑談はなかった。ケース面接中も頷きはあるものの基本的にほとんどコメントはなく途中に一度褒められた以外は淡々と進められた。計算を間違えたときは怪訝な顔をしていたので、許可をとってプロセスを説明し間違えた点を自分で指摘して謝罪すると苦笑していた。
結果連絡の時期 : 面接から三営業日後にメール(7月7日)、正式な結果はその翌日(7月8日)
オファー出し面談
形式 : 1:1、電話(前日にアポ取りのメール)
面接官の人数 : 1人
面接官 : 三次選考を担当していた男性パートナー
時間 : 10分程度
評価ポイント : 非常にMECEだった、冷静(自分の役割を俯瞰的に理解して行動している)
質問内容 : なし
後輩へのアドバイス
1 ビジネス知識は見ていないと言われるが結局適切な切り分けができるかどうかはビジネス知識があるかないかに依るところもあるのでオルタナの講座や書籍で最低限ビジネスにおける構造化の考え方は頭に入れておくと良いと思う。公共系はビジネスとは構造化で挙げるべき要素が違うので自信がなければ新聞を読んでステークホルダーの関係図や政策の実行プロセスを描くと練習になると思った。
2 一次面接の案内の時点でマッキンゼー側から選考対策用にビデオリンクと模擬ケースの日本語版リンクが送られてくるが、パーソナリティーのエピソードを考える上で最も参考になるのはそのビデオだと思うので三次選考前によく見て自分のエピソードを3つは用意するといいと思う。また模擬ケースはそのまま覚えるのは無意味だと思うが、もとの解答が構造化されていないのでそれを構造化する練習をしてみたり、+αで指摘するとより評価される項目について何度も確認すると実戦練習になる。
3 自分はあまり面接までに十分な対策をとることができなかったので特に一次面接で苦労したが、自信がないと説明が長くなりがちなのでできればゲーム選考くらいまでには幅出しをやってそれを人に口頭で端的に説明する練習を重ねておくと良い。面接中も一度で完璧にすることに拘らず、「幅出しで困ったら黙って考え込むのではなくどこまでできたか、あるいはどこがわからないか伝えてアドバイスをもらおう」くらいに考えておくと良いと思う。