【全体像をつかむ10分選考対策】NRI 野村総合研究所(経営コンサル)の選考フローと対策を解説
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目次
この記事では野村総合研究所(経営コンサルティング部門)の新卒選考における内定までの対策ポイントを実際に内定した内定者の声を付けてお伝えします。ESからWebテスト、各面接とインターンについて、各選考フローごとに選考内容と選考のポイントを記載して解説します。野村総合研究所は候補者と野村総合研究所がマッチしているかどうかを重要視して選考を行っています。そのためエントリーから内定までのポイントをしっかり抑えて、十分な対策を練ってから選考に挑むようにしましょう。
NRIの概要
日本発の民間シンクタンクとしてコンサルティング、Sier、シンクタンクと幅広いソリューションを提供。
野村総合研究所は、1965年に日本初の本格的な民間総合シンクタンクとして誕生した「旧野村総合研究所」と、1966年に設立され日本で初めて商用コンピュータのビジネス利用を実現してきた「野村コンピュータシステム」が、1988年に合併して誕生しました。未来社会双発企業として、「使命」「事業ドメイン」「経営目標」「行動指針」の4つを柱とした企業理念を掲げています。NRIは創業以来50年以上にわたり、常に時代を先取りした、新たな地平を築く企業戦略の提案や政策提言、システム開発・運用を行ってきています。
事業内容
事業内容は①コンサルティング②金融ITソリューション③産業ITソリューション④IT基盤サービスの4つ
事業内容は以下の4つを掲げています
①コンサルティング
②金融ITソリューション
③産業ITソリューション
④IT基盤サービス
経営コンサルティング部門では、1つのプロジェクトに対しさまざまな専門領域を持つ経営コンサルタントが参画し、複合的なソリューションを顧客へ提供することを行っています。
NRI(経営コンサルティング部門)が求める人材
経営コンサルタントとして必要な能力以外にもプラスアルファが必要
公式HPによると、コーポレートステートメントとして、
「Dream up the future」を掲げており、
使命:社会に対して・新しい社会のパラダイムを洞察し、その実現を担う
お客様に対して・お客様の信頼を得て、お客様とともに栄える
創発する社会:人々の英知がつながり、環境にやさしい持続可能な社会
私たちの価値観:先見性と緻密さで、期待を超える
多彩な子が互いに尊重し、志をひとつにする
情熱と誇りを胸に、あくなき挑戦を続ける
(一部抜粋)が挙げられております。
上記を前提に、
「高度な専門性を持ち、自ら設定した目標のもとに自立して働き、変革を恐れず果敢に挑戦していく」人材育成に取り組んでいると記載されていました。
コンサルティング能力だけでなく、挑戦や志、高度な専門性や事業創造まで求められていることが想像されます。
NRI(経営コンサル)内定までの選考フロー概要
選考時期
夏・冬・本選考の3回申し込むことができる。時期が遅くなるにつれて枠は減る。
夏→5月~11月
冬→11月~3月
選考フロー
インターンまでは自分の能力を、インターン後は自分の人柄を見せていく必要性
選考フローは以下の通りです。
ES
WEBテスト
一次面接
二次面接
GD
インターン(5days)
インターン後面談
部長面接
役員面接
最終面接
選考全体でのポイント
選考期間が長い中でも自身の価値観や能力を示していく必要がある。
選考フローは半年と長期的なため、各面接においてNRIのカルチャーへの適合性や自身の能力を示していくことが求められます。
ES
内容
最初の関門。短い字数の中でわかりやすく書く練習を。
お題(夏インターン)
①あなたが大学入学後、「乗り越えた困難」または「挑戦し成し遂げたこと」を具体的に教えてください。特に、目標達成に向けて課題・ハードルだと考えた点、その原因、及び自分なりに創意工夫した課題解決方法を重点的に教えてください(400文字以内)
②広く知られている企業・中央省庁・地方自治体から1つ選び、あなたなりの視点から、その主体が今後直面するであろう重大な問題点を1つ挙げてください。その上で問題の真因を明らかにし、その主体がとるべき解決策を、あなたが経営戦略コンサルタントになったと仮定して、提案してください(400字以内)。
お題(冬インターン)
①あなたという人物を一言(最大30字)で表現してください。また、そのように考えた理由を象徴的なエピソードを踏まえて教えてください。(300字以内)
②広く知られている企業・中央省庁・地方自治体から1つ選び、あなたなりの視点から、その主体が今後直面するであろう重大な問題点を1つ挙げてください。
その上で問題の真因を明らかにし、その主体がとるべき解決策を、あなたが経営戦略コンサルタントになったと仮定して、提案してください(400字以内)
ESがあまり読まれないと言われる他のコンサルファームと比較した際、NRIの経営コンサルタント部門ではESもしっかり見られており、落ちる人も続出しているため、短い字数で自身の経験や能力をわかりやすく書く必要があります。
ESの内容がその後の面接で面接官に質問される内容になるため、面接で深堀をされる前提でESを書きましょう。特に二問目の企業・官公庁に関するお題では、後の二次面接で面接官とディスカッションを行うため、論理の飛躍がないように書くこと・面接で話すことを踏まえて深くディスカッションできるテーマを選ぶことを心掛けましょう。
選考のポイント
2問のESで人柄と論理的思考能力をアピールする必要。
ES内で自分の人柄の良さを1問目の部分で、地頭の良さを2問目でアピールしていく必要があります。ESで落ちる人も多く、短い文章の中でアピールをすることが求められます。後の面接でESの内容が問われるため、自分が何をESに書いたかは残しましょう。
Webテスト
テストセンター型のSPI。
夏インターン・冬インターン・本選考ともにSPI(テストセンター)
1次面接と合わせて選考が行われます。
性格検査も見られているため、NRIのカルチャーを事前に見て回答する必要があります。
選考のポイント
ボーダーが高いことが予測されるため、事前のSPI対策を行う必要。
ESが通過すると次にテストセンター型のSPIを受ける必要があります。このSPIは1次面接と合わせて選考が行われるため、一概に断言はできませんが、日系の最大手企業ということを踏まえるとボーダーラインは高いことが予測されます。事前に参考書などで対策をすることをお勧めします。またNRIはカルチャーも見られるため、適正検査(いわゆる性格検査)も選考において重視されているため、NRIのカルチャーをHPや説明会を通じて理解し、それに沿わない回答は避けるよう努めましょう。
1次面接
内容
集団面接ではあるが、他の候補者のガクチカを要約・質問をする特殊な形式なので対策が必要。
選考時間:30分
面接官:1人
3人での集団面接です。
ESの1問目で聞かれた内容(ガクチカor自己PR)が面接内容になります。
通常の一般的な集団面接であれば、面接官が各候補者に質問を行いますが、NRIの一次面接では、まず一人の候補者がガクチカ・自己PRを話し、他の候補者が発表者のガクチカを要約・質問をし、その後面接官が各候補者に質問をする特殊な形式になっています。
この形式は必ず行われるわけではなく、面接官によっては要約はしないなど違う形式で行う場合もあるので注意してください。
集団面接としては特殊な形式であるため、事前にこの形式で練習することが有効な対策になると考えられます。
選考のポイント
他社とは違う人物面接の形式なため、事前に練習しておくとよい
上記でも記載した通り、NRIの経営コンサルティング部門の1次面接は特殊な形式となっています。そのため、事前に先輩や友人を含めて練習をし、他人のガクチカを要約・質問する練習をしておくことをお勧めします。またこれは筆者の感想ですが、コンサル就活生は人物面接対策をしていない人が多いと感じるため、少しの対策で他候補者と差別化できると思います。
2次面接
選考のポイント
1次面接同様に特殊な形式。筆記ケース対策としても有効なので、壁打ちなどで深堀を
1次面接を通過すると電話で2次面接が案内されます。2次面接ではESの2問目の深堀がされます。自分が興味を持った企業・自治体の課題や紺劣るべき施策を問われており、筆記ケースに近い形になっています。2人の面接官から鋭い質問をされますが、事前に自分が書いたお題をリサーチを含めて深堀をし、想定される質問を考えておけば対応できると考えれれます。実際、筆者は面接時に聞かれた質問はすべて事前に想定していたものであり、回答も用意していたため、厳しく深堀されることはありませんでした。
内容
ケース面接に近い形、ESの内容を厳しく聞かれるので、事前に想定質問を作っとくとよい。また1次面接同様に他候補者に対して質問をするため、対策が必要。
選考時間:1時間
面接官:マネージャークラスが2人
候補者3人での集団面接。 ESの2問目で聞かれた内容(企業に関するお題)が面接内容になります。
通常であれば面接官が各候補者に質問をする形ですが、NRIの二次面接では、まず一人の面接官が候補者に質問をしたあと、他の候補者が発表者に質問をするという特殊な形。
そのため、面接中は自分の番だけでなく、他の候補者の発表もしっかり聞く必要がある。
面接官からの質問はESの二問目であるため、事前に想定質問とそれに対する答えを考えておくことが対策になると考えられる。
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です
・後のインターンで人事からFBを受けたときに、思考の柔軟性があることを評価された。
・事前にESで書いた企業や自治体に関する知識を調べておいたことが面接官に好印象だったと思う 。
GD
選考のポイント
能力以外にも主体性や協調性も必要
積極的に発言をすることや役職に積極的につくなどの主体性といった一般的なGDで評価されることが評価されるほか、他の外資コンサルと比較すると、他の人に話を振るといった協調性が重要視されているように思われる。
内容
ケース課題グループディスカッション
3人でグループディスカッション
2次面接が終わった後別のzoomの部屋に飛んで実施。
面接官はコンサル部門採用担当
お題:ある企業の経営判断上の是非
お題が与えられ最初の5分は個人でワーク、その後30分でグループディスカッション。
FBはなく、時間になり次第終了。
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です
・後のインターン内でGDのFBをくれるが、書記を積極的に名乗り出たこと、一人でガツガツ進めないで、他人に話をふることも評価された。
・思考の柔軟性が評価されたと思う。多面的な視点が求められていたお題だったので、そこが評価されたと思う。
インターン
選考のポイント
5日間と長い日程の中で、思考体力・論理的思考能力・協調性を見せていく必要がある。
2次面接・GDを突破すると5日間のインターンシップに案内されます。5人程度でチームを組み、1つのお題に取り組みます。
積極的な発言、リーダーシップをとることが重要です。アウトプットのインパクトが大きい部分に携われるとなお評価されます。 5日間と長い日程のため、思考体力も必要になります。 またGDと同様に、他の外資コンサルと比較すると、他人に話を振ることや、一人でワークを押し進めない協調性がかなり重要視されているように思われます。
内容
学生5人とメンター1人のチームを組み、メンターが所属しているグループのコンサルタントと人事からのFBを受けながら一つのテーマを行う。
日程:5日間
ターム数:5ターム(7月後半から9月前半まで)
各タームの人数:20~25人程度
参加者の属性:東京一工早慶旧帝理系院生で9割
1グループ5人
評価官の人数:メインメンターが1人、メンターが普段の仕事で所属しているグループのマネージャーがサブのメンターとなっています。加えて人事3人と、グループに所属する現役のコンサルタントが5~8人時間を見つけては部屋に来て、ディスカッションをします。上記にあげた全員が評価をしています。
お題:ある企業が経営上の判断を試みようとしているがそれを行うべきか行わないべきか
上記のお題を5日間かけてグループワーク形式で行っていきます。
1日目、3日目に人事と15~30分程度面談を行います。1日目は1次面接・2次面接の良かった点と改善点を提示してくださり、改善点をインターンでどう直していくかを話します。3日目はインターン途中の自分自身のFBをされます。
5日目の発表が終わったあとに、マネージャークラスの方と1:1で面談を行います。ここではインターン全体のFBをいただきます。
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です。
・インターンのワークにおいて常に大事な論点を抑えていること、お題の構造や本質が理解できていることが評価されたように感じた。
・対人ソフトスキルがあること、いいやつ感があることをFBで評価された。
・未来創発を掲げている企業ということもあり、インターンのお題に対する答えがその先の社会を考えているかどうかは大事なように感じた。コンサルタントと壁打ちをしている際にも、その先に何を提供できるかということを考えることを求められた。
インターン後面談
カジュアルな面談。人事と一緒に志望動機を練る。
人事と1時間程度面談
人によっては2回実施します。
対面で行うかオンラインで行うかは選択することができます(首都圏在住の場合のみ、首都圏以外在住の場合はオンライン)
インターンの振り返りと、部長面接の対策を一緒に行います。
部長面接では①候補者の人柄②NRI(経営)でなにをしたいか
を聞かれるため、ここについて人事とお話をします。
NRIで何をやりたいかを事前に考える必要があり、考えた内容を人事に壁打ちしてもらいます。
部長面接
選考のポイント
厳しい質問も飛んでくるが、明るくかつ求められた問いに正確に答えることが重要。
部長5人が候補者と一緒に働けるかどうかを見ています。NRIでやりたいことに関しては厳しい質問も多くされるため、インターン後面談での壁打ちで入念に対策をするだけでなく、面接の練習を複数回行う必要があります。 文系の学部生だとフェルミ推定やケース面接で聞かれるような質問をされる場合があるので注意しましょう。厳しい質問が飛んでくる面接ではあるが、雰囲気は穏やかであるように思います。
内容
インターン後の一番の鬼門。対面で実施されるため、緊張しすぎず落ち着いて望む
本社(大手町オフィス)で1時間面接。
30分×2回実施する。
本社に到着すると待合室に案内され、時間になると面接官がいる部屋に案内されます。
1回目:部長3人と面接
2回目:部長2人と面接
内容
1回目
・自己紹介と志望動機
・ゼミの研究内容と深堀
・NRIでやりたいこと、関わりたい業界は何か
・なぜ他の業界、官僚ではなくコンサルなのか
・コンサルをやるにあたり、あなたの強み・発揮できる性格はなに?
・苦手な状況、理不尽な状況に置かれたときにどうやって乗り越えるか
2回目
・自己紹介
・1回目で言い残したことはあるか
・NRIでやりたいことをやりたいと思ったきっかけは何か
・自分は周囲からどういう性格と言われる?
・その性格で得したこと損したことのエピソードを話して
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です。
・人柄の良さ、部長たちが一緒に働きたいかが評価されているように思う。厳しい質問もたくさん飛んできてぴりついた空気になることも想定されたが、素直さ・謙虚さをだし、穏やかな空気にしたことが評価されたと思う。実際2回の部長面接両方で笑いを取ることができた。
・ロジカルさが評価されたと思う。NRIでやりたいことが過去の自分の経験や自分の性格と一致しているかどうかは見られていた。
・コンサルということもあり数字が扱えるかどうかは評価項目にあったように思える。実際、面接の質問の中でフェルミ推定のような質問や、統計に触れたことがあるかなどの質問をされた。
役員面接
選考のポイント
部長面接同様に厳しい質問が飛んでくるが、冷静に受け応えを行う必要。
部長面接を突破すると役員面接を行います。部長面接と同様に役員面接でもNRIでやりたいことや過去の経験を聞かれます。部長面接を突破し油断しがちであるが油断せずに挑んでほしいです。
内容
最終面接前の面接。15分と短いが、部長面接と同様の内容が問われる。
オンラインで15分面接
面接官:人事部長と役員
基本的には人事部長が司会進行役。役員と1:1で面接を行います。
内容
・コンサルで求められているものは何か。
・NRIでやりたいこと
・自分の強み弱み
・学生時代に力を入れたことは
・逆質問
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です
・役員面接はネガティブチェック要素が強かった。役員が出す奇抜な問いにも冷静に答えられるかどうか、自分自身のことを客観的に理解できているかどうかを見られていたように思う。
最終面接
選考のポイント
カルチャーフィットを見られている。
役員面接までと同様にNRIでやりたいことを聞かれるが、厳しい深堀りはされないです。カルチャーフィットをかなり見られているように思われます。
内容
最後の面接。基本的にはネガティブチェック。
オンラインで30分面接
面接官:人事
内容
・NRIでやりたいこと
・ゼミの研究内容と深堀り
・逆質問
評価ポイント(内定者の声)
以下内定者の声です。
・最終面接は基本的にNRIのカルチャーが合うかどうかを見られていると思う。面接の最初に面接官からカルチャーフィットを見ますねと言われた。
最後に
いかがでしたか。ここまで野村総合研究所(経営コンサルティング部門)の選考フローとそれぞれの通過ポイントをお伝えしてきました。民間企業から官公庁まで幅広い業界と関わっている野村総合研究所。皆さんが選考を受けるにあたって、本記事が参考になれば幸いです。