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【P&G社員ロングインタビュー】アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担う

「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい

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マーケティング本部

伊達 氏

外資系キャリア
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経営戦略
マーケティング
【P&G社員ロングインタビュー】アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担う

目次

EP1アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担当1EP2アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担当2EP3「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい1EP4「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい2EP5P&Gは、戦略を描くだけではなく、戦術の策定・実行までを一気通貫でリードできる環境が魅力1EP6P&Gは、戦略を描くだけではなく、戦術の策定・実行までを一気通貫でリードできる環境が魅力2EP7P&Gはグローバルな環境で戦う機会が多く、アジア全体でのキャリア成長が見込める1

EP1

アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担当1

2022年に大学院を卒業して、P&Gに新卒で入社しました。現在はシンガポールにて、P&Gの柔軟剤「レノア」ブランドの「超消臭」と「抗菌ビーズ」という製品のマーケティングを担当しています。 マーケティングといっても、一般的にイメージされる広告宣伝だけではなく、消費者インサイトや市場の分析、新製品のアイデア出し、といった製品を開発する上で要となる上流工程から、実際に開発された製品のコミュニケーション策定まで、開発から消費者に製品が届くまで全体に関わる仕事をしています。 例えば、数年後の消費者トレンドを分析し、どんな製品が市場に求められるかを考え、新製品のアイデアを考え、それを形にするために、研究開発チームと協力し、どんな成分や技術が必要かを議論したりしています。
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アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担当1

EP2

アジア本社シンガポールで柔軟剤レノアのブランドマーケティングを担当2

また、マーケティングにおいては「人物金(ひと・もの・かね)」の要素が非常に重要です。まず「物」に関しては、先ほど述べたように製品開発に関わり、どのような成分や技術を使用するかを決めます。そして「金」の部分では、投資計画を策定し、F&A(経営管理本部)と協力して予算配分やROI(投資収益率)を計算し、承認を得るまでをリードします。 最後に「人」についてですが、社内の多くのチームと連携し、プロジェクトを推進することが求められます。例えば、研究開発本部やF&Aだけでなく、Sales(営業統括本部)とも協力し、新製品の販売戦略を立案します。最終的に新製品を市場に投入し、小売店様・卸店様と連携して販売促進を行い、消費者に確実に届けることが私の業務の大きな役割です。 基本的に1人で幅広い業務を担当しています。もちろん、実際に手を動かすのは私だけではなく、SalesやF&Aなどマーケティング以外の部署も含むレノアチーム全員ですが、複数部署を統括し、プロジェクトを主導できるのがP&Gマーケティングの魅力とも言えます。

EP3

「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい1

私が就職活動をしたのは2020年で、ちょうどコロナが始まった頃です。私はもともと海外の大学院に進学する予定でした。2021年に大学院2年生になるタイミングでヨーロッパに留学する計画があり、それまでに就職活動を終わらせる必要がありました。結局コロナの影響で留学はなくなってしまいましたが、早めに就活を進めていました。 私は小学校から大学までスポーツをやっており、常に自分が目指せる最高のレベルを追求するスタイルで、社会に出ても自分がエキサイティングだと感じられるフィールドで挑戦したいと考えました。 そのため「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に焦点を当て、日本国内にとどまらずに成長できる環境を求めました。業界でいうと、外資系の投資銀行、戦略コンサル、メーカーの3つの業界を受けました。
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「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい1

EP4

「アジアでビジネスリーダーになれる企業」に入社したい2

アジアのビジネスリーダーを目指した理由は、自分にとっての最難関を目指したいと考えていたからです。大学受験の時は日本国内の最難関を目指して東大に進学しました。部活でも全国大会を目標にしていました。ただ、学生時代に日本国内での「トップ」を目指すことには、ある種の限界を感じるようになりました。 そこで、より広い視点で自分のキャリアを考えたとき、日本より上のステージはどこかと考えました。本来なら世界レベルを目指すのが理想ですが、当時の私にとってアメリカやヨーロッパのビジネス環境は解像度が低く、自分にとって現実的に目指せる範囲としてアジアに注目しました。 また、日本の企業に入社してもアジアのビジネスリーダーにはなれないと考えました。多くの日本企業は国内市場にフォーカスしており、グローバルな成長機会が限られていると感じたからです。そのため、より広い市場で挑戦できる外資系企業を志望しました。 アジアは経済的に急成長している地域であり、グローバル企業の競争も激しく、日本の枠にとどまらないビジネス環境があります。シンガポールや中国、東南アジアの市場を見たときに、自分がそこで挑戦し成長できる環境を求めるようになりました。 正直に言うと、当時は自分の強みを働く上でどう活かせるのか分かっていませんでした。大学時代は部活に打ち込みすぎて、一度もアルバイトすらしたことがなかったので、社会で働くイメージがついていませんでした。 そのため、業界を絞り込まず、投資銀行、戦略コンサル、メーカーの3つの業界を幅広く受けることにしました。どの業界も最初は解像度が低く自分に合っているのかもわからないなかでのスタートでしたが、最終的には企業側が私の強みや適性を見極めてくれるだろうと考えていました。

EP5

P&Gは、戦略を描くだけではなく、戦術の策定・実行までを一気通貫でリードできる環境が魅力1

P&Gに興味を持ったきっかけは、地元・神戸にP&G Japanの本社があったことや、P&G出身のマーケターの方の活躍をメディアで見たことです。そして、マーケティングの選考に臨もうと思ったのは、コンサルやIBDと比べて、P&Gのマーケティングであれば戦略と戦術の両方を策定できると感じたことにあります。どちらか一方だけでは不十分で、戦略を描くだけでは実行力が伴わないし、逆に手足を動かすだけでは結果が出ないため、そのバランスが非常に重要である、とP&G出身の方も本で書かれており、戦略的思考だけでなく、戦術レベルで徹底して実行できる環境がP&Gにはあると考えました。 実際に説明会や座談会、面接を通じて社員の方々と話すうちに、想像していた通りの環境があることに加えて、仕事の内容や会社のビジョンを解像度高く理解することができ、自分の価値観と合致していると感じました。 正直、企業研究や選考対策では、企業の特徴を細かく比較することはあまりしていませんでした。そのため、選考に進んでいた企業の社員の方々との実際の交流を経て、自分とフィーリングが合うかを確かめていました。P&Gではそのフィーリングが一番合ったと感じたことが、就職先を決める上で大きかったです。 選考対策については、就活当初は全くの“素人“だったと思います。私自身、インターンの経験もなく、会計やマーケティングの知識もゼロ、さらにはパワーポイントの使い方すらよく分からない状態だったので。そのため、オルタナの先輩や同期と一緒に勉強しながら選考対策を進めました。彼らと一緒に学ぶことで、選考に必要なスキルを身につけることができたことは、今でも感謝しています。
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P&Gは、戦略を描くだけではなく、戦術の策定・実行までを一気通貫でリードできる環境が魅力1

EP6

P&Gは、戦略を描くだけではなく、戦術の策定・実行までを一気通貫でリードできる環境が魅力2

実際に働いてみてという点でいうと、P&Gに入社する前に想像していた通りの業務ができています。というのも、どれだけ素晴らしいマーケティング戦略を描いても、それだけでは売れないと痛感しているからです。例えば、私が担当している柔軟剤は、消費者がドラッグストアで数秒以内に選ぶものです。長時間悩んで購入するものではないため、理論的に完璧な戦略を立てても、きちんと消費者に届けるための戦術も伴っていないと、実際には消費者に手に取っていただけないことが起こるのです。 そのたびに、マーケティング戦略として「この製品の強みをしっかり伝えよう」と考えていても、それだけでは十分ではなく、実際に売るための「戦術」も重要だと痛感しています。 そして、いま振り返ると、この考えは私の学生時代の部活経験にも似ており、その点でフィーリングが合うと感じた点も大きかったと思います。小中高大とサッカーやラクロスをしていたのですが、チームの戦略を立てることと、それを実行する戦術のバランスが非常に大切だったためです。例えば、試合前に相手チームの分析をして「攻撃的にいこう」と戦略を立てたとしても、それだけでは勝てず、実際に試合の流れの中で、相手の動きに応じて戦術を変え、状況に応じた対応をしなければなりませんでした。また試合中には、相手の特徴を考えながら、どのプレーヤーをどこに配置するか、どのタイミングで攻めるかなどを常に調整しなければなりませんでした。つまり、大きな戦略なしに戦術だけでプレーしても勝てませんし、戦略だけあっても試合中に適応できなければ意味がなかったのです。こうした経験があったからこそ、戦略から戦術までを一気通貫して策定し実行することが出来る、P&Gのマーケティングに惹かれたのだと思います。

EP7

P&Gはグローバルな環境で戦う機会が多く、アジア全体でのキャリア成長が見込める1

就職活動をするなかで、戦略コンサルは9月頃に、P&GやIBDは11月頃に内定をいただきました。戦略コンサルやIBDではなく、P&Gに入社するかどうかについては本当に悩みました。戦略コンサルやIBDは、学生の間でのステータスが高く、かっこいい職業に見えますし、実際に日本を代表するような企業の50代のクライアントに対して提案をするというのは、非常にエキサイティングな仕事だと思います。 ただ、最終的に何になりたいのかと考えたとき、自分はアジアのビジネスリーダーになりたいという目標を持っていました。P&G の魅力は、積極的に海外でも人材を育てよう文化があり、実際に私も3年目でシンガポールに来ることができた点にあります。海外育ちだったり英語ネイティブというバックグランドでなくとも、日本でしっかりと結果を出せば、シンガポールのようなグローバルな環境で働くチャンスを掴める。この点が、戦略コンサルやIBDとは大きく異なる部分でした。

EP8

P&Gはグローバルな環境で戦う機会が多く、アジア全体でのキャリア成長が見込める2

最終的には自分がどの環境で最も成長できるかを考えたときに、P&Gが自分に合っていると判断しました。実際、就活中はどこに行くか決めることなく、ニュートラルな状態で全ての選択肢を残していました。戦略コンサルやIBDは非常に魅力的な選択肢でしたし、友人の多くもそちらに進んでいました。ただ、自分が本当にやりたいことを考えたとき、グローバルな環境で戦う機会が多く、アジア全体でのキャリア成長が見込めるP&Gを選ぶことが、自分にとって最も納得感のある選択でした。 実際に入社してみて、戦略コンサルやIBDに入社した友人と話している限りでは、彼らが私と同じ年次でシンガポールやアメリカといった海外に赴任したという話はまだ聞いていません。むしろ、基本的に日本支社での業務がメインで、グローバルな仕事を経験する機会が限られているように思います。一方で、P&Gには、結果を出せば、早い段階で海外に行き、現地の優秀な人たちと競争できる環境があり、グローバルなビジネスリーダーになりたい方にとっては、非常にやりがいのある会社だと思います。

EP9

P&Gに通底する「高みを目指し続ける」カルチャー1

入社する企業を選ぶにあたっては、自分自身の信念や目標と、企業が期待するものがどれだけ一致しているかが重要だと思います。例えば、海外駐在に関して、企業によっては「まず日本で頑張って、うまくいけばそのうち上に行けるよね」というスタンスのところもあれば、「1年目からしっかり結果を出して、2年目、3年目にはシンガポールなど海外へ行くべきだ」という期待値が明確な企業もあります。その点で、P&Gは後者のタイプであり、結果を出せば早い段階でグローバルな環境に挑戦できる企業文化が魅力的でした。 また、部門ごとに文化なども少しずつ異なるように感じています。P&Gや他の外資系企業では、部門ごとに非常に強い文化を持っていると感じました。例えば、採用において、インターンや面接の運営や意思決定は、人事部門ではなく、各部門の社員によって行われることが多いです。 マーケティング部門の文化に関して、私がフィットしたと感じたポイントの一つは、高みを目指す雰囲気です。インターンや面接を通じて、P&Gの社員の方々は「より高いレベルで結果を出したい」という考えが根付いていると感じました。もちろん、ワークライフバランスも重要ですが、それ以上に「この環境で結果を出して、自分をより高めていきたい」と考える人が多く、そういう考え方が自分に合っていると感じました。 具体的に感じたのは、インターンや面接での質疑応答の際に、P&Gの社員の方々が非常にストレートに「この環境で結果を出せるか?」という質問をしてくれたことですね。他社のように「会社の安定性」や「ワークライフバランス」にフォーカスするのではなく、「この環境でどれだけの成長ができるか」を重視する文化がありました。結果を出して、より高みを目指すという雰囲気が自分には合っていると強く感じました。
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P&Gに通底する「高みを目指し続ける」カルチャー1

EP10

P&Gに通底する「高みを目指し続ける」カルチャー2

また、P&Gには、「高みを目指し続ける」「結果を出して成長したい」という意識を持っている人がとても多いです。努力した分だけ成長できる環境があることも非常にやりがいがありますね。これまでの部活経験と似ていて、全国大会で優勝する学校以外はすべて負けているように、ビジネスの世界でも競争があり、その中で結果を出せるかが重要になります。P&Gでも新製品を出しても成功するのは一部で、ほとんどは市場で苦戦することになります。それでも挑戦し続け、勝ち筋を見つけるプロセスに面白さを感じました。 強みに関してですが、P&Gは世界的にマーケティングのノウハウが蓄積されており、小売店様や消費者に対して大きな影響力を持っていると感じました。また、マーケティング手法が常にアップデートされ、デジタルマーケティングなど最新の手法を取り入れながら、ブランドを成長させる戦略が整っている点も強みです。 また、P&Gではグローバルな人材育成が徹底されている点も魅力でした。例えば、1年目で英語があまり得意でなかった私でも、8月や9月にシンガポールに派遣されて2週間のトレーニングを受ける機会がありました。海外の優秀な人たちと接することで、視野が広がると同時に、ビジネスの最前線で求められるスキルを学ぶことができました。また、年次を重ねたとしても、そういったトレーニングなど、継続的に成長する機会が用意されています。 トレーニングでは、戦略だけでなく、具体的な戦術も学び、それを自分の市場でどのように活かすかを考えることが求められます。例えば、デジタルマーケティングの手法を学んだ後、日本の消費者向けにどのようにアプローチするかを自分で設計し、実行することが求められます。単に学ぶだけでなく、実践を通じて成長できる環境が整っている点が非常に良いと感じました。 一方で、P&Gの環境は厳しい部分もあります。やはり常に成長やチャレンジを求められる環境です。特に新製品を開発する際は、どれだけ市場調査を行っても予測どおりに売れるとは限りません。ほとんどの製品は想定通りにはいかず、何度も試行錯誤しながら改善していく必要があります。ただ、それこそが仕事の面白さでもあり、結果を出せば次のステップが見えてくるのがP&Gの良さだと思います。 最終的にP&Gに決めて間違いなく良かったと思っています。キャリアパスも、当初から思い描いていた通りに順調に進んでおり、自分が目指していた方向に向かっていると実感しています。また、高みを目指す仲間に囲まれる環境で、自分の強みを活かしながら成長できることに大きなやりがいを感じています。

EP11

成果を出し続け、アジア全体を牽引できるビジネスリーダーへ1

入社後のギャップについては良い面も悪い面も含めて、思った通りの部分が多かったです。例えば、自分自身3年目でシンガポールに行くことになりましたが、それは就活生のときに想定していたキャリアの流れそのものでした。自分が次にどの仕事をしたいのか、どのポジションを目指したいかという点でも、上司と定期的に話す機会がきちんとあったので、計画を立て、その計画通りに進めることが出来ました。上司も手厚く私のキャリアをサポートしてくれますし、やったことに対してきちんと対価が返ってくる環境だと感じています。ただし、ビジネスをする上で正しい状況だと思いますが、きちんと成果を出してこそ、自分の描いたキャリアを築いていける、という点はぜひ、理解いただきたいです。 正直なところ、大きな不満はありません。ただ、日用品を扱っているので、仕事とプライベートを切り離そうと思っても中々難しい部分はあるかもしれません。 例えば、日本に出張した際、週末は休めるのですが、ついドラッグストアなどのお店に行って消費者の方の購買行動を観察してしまうことがよくあります。こういった仕事とプライベートの境界が曖昧な部分は、ある意味P&Gの特徴かもしれません。 テレビを見ていても、P&G以外のCMをチェックして分析したり、広告を見ながら消費者の反応を想像したりしてしまいます。P&Gにはワークライフインテグレーションという言葉があるのですが、私自身も仕事と私生活双方が人生を形作っているとして捉えるほうが性に合っていると感じています。仕事も遊びの延長のような感覚で捉えられる人にとっては、とても良い環境だと思います。

EP12

成果を出し続け、アジア全体を牽引できるビジネスリーダーへ2

私は最初からアジアのビジネスリーダーになりたいと考えています。そのため、現在シンガポールにいることは想定内ですが、次のポジションではさらにアジア全体を視野に入れた仕事をしたいと考えています。現在の担当マーケットは日本ですが、今後は韓国やタイなど、別の市場を担当することで、よりアジア全体のビジネスに精通できるようになりたいと思っています。 そのため、今の上司やその上のマネジメント層に対し、自分のキャリア希望を明確に伝えています。当然ながら、まず現在の役割でしっかりと結果を出すことが重要で、具体的に「この時期までにこれを達成する」「こういうスキルを伸ばす」といったコミットメントを持ち、会社に対しても自分の成長計画を示しています。 もちろん、ポジションがすべて思い通りに決まるわけではありませんが、コントロールできる部分はしっかりとコントロールしていきたいと考えています。最終的には、アジアのマーケットを横断的に見られるような役割を目指し、成長していきたいと思います。

EP13

自分自身の軸を持って就活を進めてほしい1

就活生に伝えたいメッセージは二つあります。まず第一に、就職活動の結果が人生を決めるわけではないということです。もちろん、うまくいくに越したことはありませんし、そのために努力すべきですが、仮に失敗したとしても、それが人生のすべてに影響するわけではありません。重要なのは、自分が本当にやりたいことを明確にし、それに向けて努力し続けることです。 例えば、内定が取れなかったからといって、その後のキャリアに影響し続けるわけではありません。実際、社会に出てから転職の機会もありますし、最初に入った会社が必ずしも自分にとって最適とは限りません。重要なのは、就職活動の結果だけにとらわれず、そこで得た経験、人脈、知識をどう活かしていくかだと思います。結果がどうであれ、それを次の成長に結びつける視点を持ってほしいです。 第二に、就活は他人の意見ではなく、自分自身の軸を持って進めるべきだということです。周囲の人がどういう会社に行ったか、どの業界が人気かといったことに影響されるのではなく、今までの自分の経験を振り返り、将来どうなりたいのかをしっかり考えた上で、自分に合った企業を選ぶことが大事です。 特に私が就活をしていた2020年当時、戦略コンサルや投資銀行が非常に人気で、そこに行くことが正解のような雰囲気がありました。ですが、それが全員にとって最適な道とは限りません。人気業界だからといって、自分に合っているとは限らないのです。
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自分自身の軸を持って就活を進めてほしい1

EP14

自分自身の軸を持って就活を進めてほしい2

自分のキャリアを考えるときに、狭い視野ではなく、広い視点で物事を考えることが大切だと思います。周りの人の意見に流されるのではなく、「自分はどういうことをしたいのか」「どんな環境で働きたいのか」といった本質的な部分をしっかり考えるべきです。 広い視野を持つためには、自分の環境を変えてみることです。私自身、シンガポールに住んでみて、日本とは異なる価値観や考え方に触れることができました。その経験を通じて、日本の良いところも、もっと改善すべきところも見えてきました。就活生には、ぜひ海外に出たり、新しい環境に飛び込んだりして、視野を広げる機会を持ってほしいと思います。 最近ではSNSの影響も大きく、どうしても自分の見たい情報ばかりが表示されてしまい、狭い視点にとらわれがちです。だからこそ、リアルな世界でいろいろな価値観に触れることが必要です。例えば、住んだことがない地域の人の生活を知る、異業種の人と話す、海外に行くといったことが、視野を広げる上で非常に有効だと思います。 就活は人生の一部に過ぎません。一番大切なのは、自分が将来どうなりたいかを考えることだと思います。もちろん、仕事を通じて社会に貢献したいとか、大きな影響を与えたいという思いは重要ですが、現実的にはすぐにそれが実現するわけではありません。世界に70億、80億人いる中で、自分がどれだけのインパクトを与えられるかを考えると、そこまで厳密に考えすぎても仕方がない部分もあります。 仕事において一番長い時間を過ごすのは会社のオフィスであり、同僚との関係が非常に重要です。そのため、どんな環境で働きたいのか、どんな人たちと一緒に仕事をしたいのかを考えることが重要です。結局、仕事の充実度は職場の文化や人間関係による部分が大きいと思います。 私自身も、コンサルや投資銀行に進んだ友人が多いですが、単に「かっこいいから」「給料がいいから」という理由で選ぶと、後で後悔することもあると思います。もちろん、明確なキャリアプランを持っている人にとっては良い選択肢ですが、何となくの理由で選んでしまうともったいないと感じます。 将来の自分をイメージし、それに合った企業を選ぶことで、より納得感のあるキャリアを歩めると思います。