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NRI(経営戦略コンサルティング部門)Career Story 05

最後まで経産省と迷ったファーストキャリア。入社の決め手は「自由度の高さ」

PROFILE
株式会社野村総合研究所(NRI) ​経営戦略コンサルティング部門

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2007年入社。レアメタル領域を軸として若手からプロジェクトマネジメントを経験し、その後ジョージタウン大学にMBA留学。帰国後はイノベーション・スタートアップ支援のグループを自ら立ち上げ、政府のガイドライン策定支援等に従事。
NRI(経営戦略コンサルティング部門)Career Story 05

目次

EP1

まずはじめに

学生の皆さんには、今できることを一生懸命やってください、とお伝えしたいです。 今しかできないことはきっとあります。入社後は毎日仕事をする中で時間があっという間に過ぎていくでしょう。 大変な時、辛い時に学生時代に取り組んだことが自分の最後の心の支え、自信の源になるので、今できることを夢中でやって欲しいと思っています。

EP2

最後まで経産省と迷ったファーストキャリア。入社の決め手は「自由度の高さ」

2007年入社して15年目です。 大学院時代は工学系の建築、その中で環境工学を専攻し、流体力学・シミュレーション・最適化プログラムなどを学んでいました。就職活動のことは鮮明に覚えています。私は経済産業省かNRIかで迷っていました。この意思決定には本当に悩みました。色々な条件や要素を星取表のように書き出して、◯×△つけて、緻密に何時間もかけて評価をしました。結果、どちらでもいい、となりました(笑)。結局私はどっちに行っても後悔しないような気がして、とにかく各社10人以上の方にOBOG訪問して、結局「どっちの人っぽくなりたいか」で決めました。 どうしてそう決めたかをお話します。まず、当時その時点でその組織に入ったらできそうなことは五年後には変わってると思いました。ホットトピックスは3年から5年でどんどん変わるし、その中でコンサルタントあるいは行政官ができる仕事もあっという間に変わっていくと思いました。また、それに必要なスキルや知識も全て変わってくると思います。 そう考えた時に、就職活動の一時点でできることを比べても意味がないと感じ、逆に仕事が変わった時に自分はそれをやりたい・やりたくないと言えるか、つまり仕事を選択できる環境があるかが大事だと思い、その自由度の高さの配点を上げました。 NRIは異常なほど自由度が高く、私はこの分野がやりたい、と言えばさせてもらえることが当時も明らかで、内部情報をかき集めて、間違いないと考えて判断しました。そしてその自由度の高さは今もその通りだと、皆さんにもお伝えできます。 なぜ経産省との二択かというと、とにかく色々な業界に関わりたかったからです。日本経済や生活の豊さに寄与したいということを、なぜか思っていました。それができそうなのがこの二択でした。

EP3

入社からMBAまで~若手のうちからプロジェクトマネジメントを経験できた若手時代~

NRI入社後は社会システムコンサルティング部という、メインクライアントが中央省庁、くしくもお客様に経産省がいらっしゃいました。 入社当時ローテーション制はなかったため、希望を出して一年目から社会システムコンサルティング部に配属されました。 当時扱っていた分野は環境やエネルギー、資源です。特にナチュラルリソース、レアメタル、レアアースです。当時それらは産業政策上非常に問題になった時期でもあり、その分野を扱っていました。そして途中、研修プログラムや社費留学制度でMBAを取らせていただき、2017年に戻ってからは、テーマを変えてイノベーション・スタートアップ支援・産学連携といったテーマを中心に政府の政策立案支援や政策実行支援をしています。去年からはグループマネージャーをしています。 ざっくりさかのぼってみると、 1年目はOJTという名のプロジェクト三昧で、死ぬほど色々なことを経験しました。インストラクターに厚いご指導をいただきながら十本以上の多種多様なプロジェクトを経験しました。 2年目の10、11月頃に初めてプロジェクトの企画書を書き、そしてそれがなぜか取れてしまい、初めてプロジェクトリーダーを担いました。このプロジェクトテーマが後々しばらく専門分野になるナチュラルリソースでした。このプロジェクトを遂行して何とか二年目をやり終えて、三年目からやっと自分の専門分野を追求できるようになってきたという感じです。 その後、私はメタル領域の専門性をつけようと決意しました。興味分野であり、社内にエネルギー支援の専門家はいましたが、メタルの専門家がいないことに気づいたからです。産業政策上、鉱物資源はとても重要で、これからホットトピックになると思っていたこともあります。その分野の政府の過去の委員会資料を徹底的に読みあさり、この分野で知見を高めようと色々やり始めました。「やる」とは具体的に何かというと、政府の公募案件にプロポーザルを出し、そのコンペティション(他社ファームとの競争)にどんどん勝っていくことです。 取れたプロジェクトでしっかりお客様と信頼関係を築き、この人なら大丈夫だと思ってもらう。NRIの駒村という人が資源に興味を持って活動しているということを知ってもらう、こんな想いで活動を進めていました。 するといつの間にか「来年度実はこういう案件があるんですけど」と相談がき始めるようになりました。3~5年目の時です。 特に印象的だったのは、4年目で突然電話がお客様からかかってきて、「レアアースが中国から入ってこなくてやばいので、日本の製造業に420億の補助金を執行するための事務局を駒村さんに任せたい」という内容で、一週間で体制を作ってくれますかと言われました。壮大すぎてもはや意味の分からない電話でした(笑) 急いで当時の部長と相談して体制を考えました。年上社員をメンバーに入れてもらい、部長をプロジェクトのマネージャーに添えて「こんな体制でこういう風にできると思います」とプロポーザルを出しました。結局NRIでそのプロジェクトを遂行することになり、1~2年はそのプロジェクトをとことんやりました(もちろんこれだけではなくて、プロジェクトには同時並行で4~5本入っていましたが)。 このプロジェクトを4年目で回せたことはとても貴重な経験でした。ポジティブに言うとエキサイティングでした。 その後、様々な海外出張系プロジェクトに従事しました。国内でも補助金を執行した工場全てを見て回りましたし、世の中のリアルを現地現物で見て回って、しっかり政策に反映する、ということをひたすらやってきた感じです。

EP4

MBA留学~官民交わるワシントンDC留学で学んだこと~

8年目を過ぎたら一度留学しました。毎日必死に、朝早くから夜遅くまで勉強しました。留学先は東海岸ワシントンDCにあるジョージタウン大学です。 私がジョージタウンを選んだのはワシントンDCという土地柄が凄く重要だと思ったからです。行政の中心であるワシントンDCでビジネススクールに通うということは、官と民の交わりが日々発生している場所で生活をするということ。そこに私は価値を感じ、ワシントンのビジネススクールを選択しました。 スクールでは様々なプログラムを経験しましたが、ここで紹介したいのは「ノンマーケットストラテジー」というものです。皆さんがよくコンサルのフレームワークで扱っているのはマーケットストラテジーです。3Cとはコンペティター・カンパニー・コンシューマーですが、それだけで終わる戦略はもはや古くなっています。社会課題を解決できるかどうかが企業の存続に関わってくる世界が当たり前になっていくと、戦略において気にしなくてはいけないプレイヤー・ステークホルダーが3Cでは絶対収まらない。その外側にいる一般市民やNPO・NGO・政府・ルールメーカーやメディア、さらにはEnvironmentという意味での環境など、あらゆるステークホルダーを意識した戦略を描かないといけません。物凄くきれいな経営戦略を持っていてもなぜか企業が潰れていくという現象が起きていて、ノンマーケットストラテジーに落ち度があると私は思っています。そういったことを学べるスクールでした。 当時ブレーキペダル問題で豊田章男社長がアメリカまで引っ張り出されて宣言させられたのも記憶に新しいです。やはり企業として外交政策上の位置づけや環境問題に対する影響など、あらゆることを気にした上で意思決定をする必要があると実感しました。そして、それをサポートできるコンサルタントには何が必要なのかを考え抜く、そんな二年間でした。 ぜひ興味があれば、在学中にこのようなことまで目線を広げて学習や情報収集してみると良いと思いますし、NRIに来ていただけるのであれば、こういう議論も私のチームで交わしていますので一緒に議論しましょう。

EP5

MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

戻ってきてからを要約するなら、「新しい専門分野を追求し始めた」ということです。ここからは資源もメタルも何にも関係なかったです。 自分で新たなグループを立ち上げさせて貰って、イノベーションやスタートアップ支援をしています。専門領域の切り替えタイミングで新しくチームを作ることができ、お客様も新しく付くようになりました。これだけ自由度高く自分の専門領域を定め直せるのはとても良かったと思います。 自分のグループでこだわっていることは「新しい価値を生み出しているか」です。NRIがいたから創れた、と言ってもらえる価値の形を提言しているか。さらに、提言のみならずその社会実装まで支援できているかにこだわってほしいとメンバーには伝えています。 シンクタンクとして社会提言や戦略立案ができますというのは当然です。しかし、きっちり実装するということも絶対やらなきゃいけないと思っていて、NRIでもまだまだその領域は強化できると考えています。そのためグループとしても今年力入れていきますと宣言しております。
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MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

EP6

MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

前者の社会提言・戦略立案を少しだけ説明します。この役割は非常に重要で、やはりNRI全社の中で経営戦略コンサルティング部門は新しい社会課題やテーマを生み出す源泉です。我々がお客様の一番最先端の課題に相談対応し、政策支援をする中で社会課題として重要度の高いものを日々扱います。そして、その課題を明確化、具体化していくことが求められていると思っています。 す。その一端を私のグループでも担いたいですし、社会システムコンサルティング部は政策支援を主に行う部なので、やはり中心となっていかなければいけないとつくづく思っています。 我々のファームトップにもそういう風に言われています。当然NRIも株式会社のため売上など数値目標がありますが、その話題はあまりなく、社会課題をしっかり提言していってほしいと、日々期待をかけられています。 後者の実行支援・社会実装は実フィールドの活動にこだわっています。これは主に自治体です。やはり自治体との連携が重要で、新潟県や十勝帯広市、広島県など様々な自治体と色々なプロジェクトをやっています。 そしてそれも自治体支援で終わるのではなく、そこのフィールドで民間企業の実証実験も行います。例えば水素化自動車の実証、ドローンの実証といった企業支援を行います。 政府がコンセプトメイキングの主体ですから主なプレイヤーとして対峙しつつも、民間企業とフィールドを持つ自治体も合わせた三者を駆け巡る役割を、自グループでやっていこうと言っています。 具体的な注力テーマの紹介をすると、産学連携/ルールメイキング/教育/防災・リスクマネジメント/ものづくり×カーボンニュートラル/スタートアップ支援/人材・組織マイノリティー/地域×IT、デジタルガバメントが代表的なものとしてあります。
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MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

EP7

MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

上記で収まらないぐらい最近は色々なご相談を政府からいただきますが、やはり日々ホットトピックスである社会課題を取り扱うような活動が伝われば嬉しいです。官民横断とか官民連携についても感じ取ってもらえることがあればいいなと思っています。 例えばイノベーション促進やスタートアップ支援の領域では、政府がよく指針やガイドライン、手引などを作りますが、そこにNRIは関与しています。ルールや法規制にもイノベーションが必要だという議論が政府では出ています。また、大企業の経営時にイノベーションをいかにマネジメントするか、国としてスタートアップに対してどういう支援ができるか、さらには大学も知の源泉で、産学連携についても政府は考えています。そういった様々な検討の支援をNRIはしています。 他には、若手の研究者、ドクター以上の研究者と企業のマッチング(共同研究)をいかに増やすかを支援しています。 また、地方で事業構想をゼロから作り込む支援もしています。5か月間で10回ほどプログラムをNRIが運営し、現地企業の次世代経営者や金融機関、行政、全国的に知名度のあるクリエイター、さらには大学の起業に興味のある大学生を4~50名集めて、その方々にチーム別の事業構想を立ててもらっています。イノベーションプログラムというNRI独自の仕組みです。発表会で終わらずその後も投資を進めていく前提でチームや構想を作ってもらっています。全チームという訳にいきませんが、実際に数億円の投資が始まっているチームも出ています。 あとは鶴岡市とNRIでデジタルガバメントの推進に関して合意を結んでいます。私が現場サイドでのマネジメントの役割を担っています。
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MBA帰国後~グループを立ち上げイノベーション·スタートアップ支援の道へ~

EP8

最後に

幅広い興味関心とキャッチアップ能力、そして何よりお客様に寄り添って社会実装や社会課題を解いていくという想いがある方と、私は一緒に仕事をしたいと思います。それがコンサルタントに必須な要素かは分かりませんが、そういった人が私の周りに多いです。 就活生なら他のファームと比べて分かると思いますが、NRIの強みの一つはお客様よりお客様のことを知っていることです。私は15年目ですが特定の社会課題についてこれだけ長く扱ってきてますので、こちらからお客様に提案できることもまだまだ多くあると思っています。社会貢献・他者貢献意識の高い方はぜひNRIに来ていただき、ともに能動的に国や社会に働きかけていきましょう。