NRI(経営戦略コンサルティング部門)Career Story 03
コンサルにおける「若手のうちから裁量を」の3つのメリット
PROFILE
株式会社野村総合研究所(NRI) 経営戦略コンサルティング部門
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外資系コンサルファームから転職し2017年NRI入社。主に通信産業やメディア産業、サービス業界を中心に戦略策定プロジェクトに従事。直近は小売業のお客様に対して全社的なDX推進支援のプロジェクト・リーダーを務める。

EP1
究極のジェネラリストを目指して
2017年中途入社、社会人7年目です。
前職は別の外資系のコンサルティングファームにいて、プロジェクトを主体的に引っ張っていきたい、という思いで転職して今に至ります。
NRIでは3年間毎年所属が変わり、携わった業界も変わっています。
今はヘルスケアサービスコンサルティング部に所属していますが、ICTメディア、つまり放送·通信業界、消費財業界、小売サービス業界など幅広くいろいろ携わる部門に1ヶ月前までいました。
幅広くBtoCに近い領域のDX戦略を小売業界、飲料メーカー、物流会社相手に策定していました。
後は中期経営計画の策定支援、経営計画をどうモニタリングするかという経営のKPI設定を、テレビ局やクレジットカード業界のお客様に対して行ったり新聞社のお客様の仕事では社内事業のビジコンの審査員もやったりしました。
私は何かの領域の専門というよりは、強いていうならBtoCの専門ですが、何でもできるという究極のジェネラリストを目指してました。
就活時に見ていた業界はコンサル一本でした。早いうちから活躍できるフィールドで、若い体力のあるうちから「バンバン働いてバンバン稼いで」というのを想像していたので、コンサルティング業界を見ていました。
当時はNRIが候補に入っていなかったので、転職してからこんなに良い会社があったんだということを思いました。後ほど外資コンサルとNRIの比較をお話しできればと思います。
EP2
外資コンサルとNRIコンサルの個人の仕事の関わり方の差
自分のキャリアをお話すると、前職は2年半在籍していました。大きなPJのひとつのパートを担当するという構図のため、携わる領域·テーマはとても限定的でした。
例えば通信·メディア業界のお客様相手に、メディアを日本以外のどこで売るとより収益性高く売れるかを考えるような「コンテンツ×グローバル戦略」を1年間通して考えていました。
他には、営業が飲み会で案件を取るような昔のスタイルは古いので新しい営業のスタイルを考えていくというプロジェクトを金融業界のお客様に常駐して行っていました。
そのため2年半も在籍していましたが、扱えた業界·テーマは非常に限定的でした。これは自分だけでなく、外資系コンサルティングファームに入ると、パートナーが1つのPJをメンバーの人数を活かして取ってくるという構造になるので、必然的にそうなりやすい。
NRIに入社し、情報通信やメディア産業のPJは引き続き行っていますが、食品、運輸、銀行、金融、というように業界も広がりましたし、テーマとしても全社の中期経営計画策定·事業戦略策定·マーケティング·DX·伴走型で実行支援をお手伝いする等、縦軸のコンピテンシーで見ても非常に幅広いプロジェクトを経験できています。
どのようにキャリアを歩んできたかと言うと、まず1、2年目は大型のプロジェクトの中の1パートで上司から「これ検証して」と言われたテーマが本当か、仮説が正しいかを検証する、ということに奔走していました。
そして、3年目にNRIに来ました。
それまでタスクの1パートしか行っていなかったのが、いきなり数千万円のプロジェクトリーダーをやることになり、結果的にそのプロジェクトが大炎上してしまったのですが、それが良い思い出で成長につながったと思っています。わずか3年目で大型のプロジェクトリーダーをやらせてもらいましたが、会社がある程度リスクを取るからやってみろ、ということでやったら、まさにリスクをとってしまった例でした。コンサルティングを上から下まで全部見られたのが3年目です。

外資コンサルとNRIコンサルの個人の仕事の関わり方の差
EP3
コンサルにおける「若手のうちから裁量を」の3つのメリット
4年目になると、お客様に対してプロジェクトをこうしていきましょうという提案から、メンバーのアサインを決めたり、そのチームの中でタスクを整理してプロジェクトを進めていったり、提案営業からクロージングまで全部見るという役割を4年目でやりました。
そのため、NRIに来ると本当に裁量が大きい。
若手のうちから裁量が大きい」と、銀行でも商社でもコンサルでも言うと思いますが、コンサルの中で裁量を持つということは、何が良いのかを皆さんにお伝えします。
大きく3つあります。
1つ目は、興味関心領域を早く発見できること。
学生の皆さんの中にも、まだ特にやりたいことが決まっていないという方は多いと思います。
その様な方の中にも、私のようにBtoBに興味がなくてBtoCのお客様やプロジェクトが大好きというようにいずれ好きなテーマができる方もいると思います。
そのため、自分からある程度こういうプロジェクトをやりたいという旨をマネージャーにお願いしてアサインしてもらい、「やっぱり自分ってここに興味関心があったんだ」と早いうちから見つけることができるのがひとつの大きなメリットです。
2つ目は、あえて2つに入れたのですが、上からあれやこれやと無理やりやらされてストレスに感じることが普通のコンサルファームでも時々ありますが、それがないこと。
若手の裁量があることは、自分がやると決めたことをやるということなので、失敗しても納得できる。そういう意味で、ストレスがかかりにくい。自分が意思決定したことに責任を持つというのは、無理やりやらされるストレスがかからないので、非常に大事だと思います。
3つ目は、セルフ·ブランディングがしやすい。
1つ目と近いですが、自分の興味関心があることを早くに見つけて、関心あるテーマを多く経験することで、若手のうちから早くエキスパートになれる。
社内外に認識されて30歳手前で「あの人はECの専門家だ」と印象づけられるのは、非常に重要なことだと思っていて、それがNRIでは実現しやすい環境になっている。

コンサルにおける「若手のうちから裁量を」の3つのメリット
EP4
外資コンサルのピラミッド型か、NRIのフラット型か。ファームの柔軟性が決める顧客への最適解
次に、NRIとほかの外資は何が違うのかを説明します。
プロジェクトへの関わり方として、外資系は一番上の立場としてパートナーの方がいます。
パートナーの方が、お客様から案件をもらってきて、マネージャーやシニアマネージャーが「こういう風に進めようぜ」とタスクやプロジェクトを設計していきます。これが、プロジェクトリーダーという役割になります。某戦略ファームでは、マネージャーという役職がプロジェクトリーダーという名称になっていますが、まさにこのロールはその方達が行っています。
そしてマネージャーが区切ったタスクを、シニアコンサルタントがコンサルタントたちを率いて現場のリーダーとして確実にタスクを達成できるようにまとめていく。それをアナリストが下について作業していく、というのがシニアコンサルタント、コンサルタント、アナリストの働き方です。
コンサルタントになると、そのシニアコンサルタントが作ったタスクの分け方に応じて仮説の検証、リサーチ、分析を行う、という形になります。本当に役職と行う仕事が1対1で紐づいているというのがシステマティックで効率的だが、堅苦しい、息苦しいかもしれない、ということが外資系の構図になっています。
一方でNRIは、1人の5、6年目の社員がプロジェクトリーダーとなった場合、彼自身がメンバーを集めたり、上司に経験を聞いてプロジェクトを設計したり、というように、特にこの人がこれをやると決まっている、という形ではありません。ピラミッド構造ではなく組織がフラットになっているので、純粋にNRIがそのプロジェクトをやるためにどうするのがベストかを考えられる。つまり、NRIの力を総結集させながら進めていくというのがNRIの柔軟性であり強さであると考えています。
ミッションというのはあってないようなもので、お客様にとって必要だと思ったらそれを自分で考えて進めないといけないし、若手のうちから裁量を持ってプロジェクトリーダーだったり営業だったりを行います。アサインという面では自分がやりたいテーマに進んで参画できる、手を挙げられる、やりたくないものは断れる、というのが非常に柔軟性のあるファームだと思っています。外資系や巨大なファームでは「これはやりたくない」と言ったら干されてしまうのでお気をつけください(笑)。

外資コンサルのピラミッド型か、NRIのフラット型か。ファームの柔軟性が決める顧客への最適解
EP5
競合レベルは戦略コンサルティングファームのパートナーたち。求められる水準が自身の成長スピードの基準に
私がどんなことを行ってきたかをリアリティー持ってお伝えしようと思います。戦略策定、ブランディングのような専門用語が今日の話では飛び交っているかと思いますが、今回の例のお客様は家電量販店様です。
家電量販店様の悩みは「どういう方向で我々が進んでいくべきなのか」ということ。コロナの影響で消費者も来店しなくなり、インバウンド客もどんどん減っていく環境の中で、進むべきはどこかという論点から、その戦略に基づいて新しいサービスや事業計画を作る実行支援、NRIの別部門であるITソリューション部門と連携して、実際に使えるようなシステムを設計する、ということを一気通貫でやっていました。
私が中心になりながら、経営戦略の案件ではお客様の経営幹部の方と毎週議論しながら店舗やEコマースのあるべき姿は何か、競合との勝ち筋は何かを議論し、それに基づいてこういうサービス、機能を実行しよう、ということを役員の方と議論します。そして、それを実際の実行フェーズではNRIのITソリューション部門と連携しながら、サービスの開発を上流から下流まで入り込んで行ってきました。それを5年目という若い年次で行ってきたことになります。
全社戦略という上流から実際のサービス開発という下流まで全ての経験を積めるというのがNRIの魅力かと思います。
皆さんが持つであろう悩みを私も抱いていたので共有すると、お客様の経営幹部と社長に「コンサルを久しぶりに使うんだけど、20年前当時使っていたのが昔マッキンゼーにいたDeNA社長の南場さん。だからコンサルへの期待が高いんだよね」と言われました。
その時私はまだ5年目で、南場さんみたいなバリューをどうやって出していくのかということを常に考えていました。早いうちからそういう視座の高さで物事を考えることができるNRIはすごく良い会社だと思えた瞬間でした。
早い段階で自分のコンサルタントとしてのあるべき姿を定めて、どう社内外にアピールしていくのかを見極めて、自己研鑽できる環境が整っていると認識いただければと思います。