NRI(経営戦略コンサルティング部門)Career Story 02
「お客様に真に寄り添う」を実現するNRIならではの3つの強み
PROFILE
経営戦略コンサルティング部門
S. Y
2016年入社。航空会社や鉄道会社などモビリティ領域を中心に、中期経営計画の策定支援や新規事業戦略の策定およびサービス開発・立ち上げを行う傍ら、ビジネス書籍の出版など対外発信も積極的に行う。

EP1
部活、研究、生き方、から鑑みた、就活時の判断要素は3つ
私の就活時の軸には3つ要素がありました。1つ目の「チームワーク」は、大学の部活での経験から考えました。私は京都大学で男子ラクロス部に入っていましたが、毎年身体能力では他の大学に劣後していました。その中で、チームで戦略を立てて日本一を目指すということに惹かれて入部しました。
そこで思ったのが、心理的安全性はパフォーマンスに直結するということでした。
勝つために個々人の力はもちろん大切です。しかしチームとして一層大切なのは、どれだけお互いを尊重できるか。「何を言っても馬鹿にされない」、「的外れかもしれないことでも、きちんと意見を聞いてくれる」と思えるような、相互に尊重しあえる関係が大事だと部活で学びました。
代によってその関係性が違い、その関係性がきちんとある代はとても強かったり、関係性が弱い場合は個々人の力が強くても負けたりしていて、
「尊重し合えるチームワーク」が仕事でパフォーマンスを高める際にも大事だと考えました。
2つ目の「知的好奇心」は、大学院で研究活動した際の経験から考えました。、霊長類の研究分野では日本は最先端なのですが、最先端だからこそのやりがいと困難を経験しました。
やっとまとまった研究テーマが、考えついた1週間後に論文が出てしまい悔しい思いをしました。2番煎じはつまらないなと痛感しました。自分の原体験として強く覚えています。
研究している方であれば、テーマを決める際にこういう経験が結構あったと思います。この経験から、仕事でも最先端に触れ続けたい、と考えました。
そして最後の「プロフェッショナル」という軸は、就活時に考え至りました。自分にとって、仕事は一生涯するもの、という位置付けでした。お金だけを考えたら、投資やもっとリスクをとって稼ぐ方法もあるので、必ずしも仕事しないと生きていけない訳ではない。それでも仕事をすると考えたとき、仕事をし続けている祖父がモデルケースになるなと思いました。
父方の祖父はもともと大学教授で、今90歳ですがいまだに研究活動を続けていて、家で執筆活動をしている。彼の生き方をみていて、「仕事は人生の大半を占めるので、後悔しない仕事をしたい」と自分も思いました。
この3つが軸でした。「チームワークを軸とする仕事、優秀かつ善い人たちと良いものを作りたい」「知的好奇心を生かして新しい価値を世に生み出す仕事」「死ぬ時後悔しない仕事」。
その軸で考えた時に、チームで最先端を走る仕事に熱中し続ける働き方の、コンサルティングファームは自分にとても合いそうだと感じました。

部活、研究、生き方、から鑑みた、就活時の判断要素は3つ
EP2
NRI選択理由は、ビジネスプロフェッショナルを生み出す若手への裁量権
NRIを選んだ理由は、働くイメージがつき、この人たちとチームとして働きたいと思え、若くしてプロフェッショナルになれそうだ、と思えたので、選びました。
これからいろいろ比較する方に参考になればと思いますが、
会計系ファームは、大きな案件に対応するのがいいが、入れ替わり激しく、チームで働くイメージが湧かなかったです。
戦略系ファームは、優秀な出身者の方は結構いて、大型案件もありそうだが、大型案件だからこそ若手の裁量権は少なさそうだ、と入社者の話から思っていました。
加えて、パートナーからの評価が大事で、だからこそサラリーマン的な働き方になりそうと考えました。
これは意外でしたが、就職した先輩の話を聞いたからこそ分かったことでした。

NRI選択理由は、ビジネスプロフェッショナルを生み出す若手への裁量権
EP3
様々なプロジェクトを経てたどり着いた主軸とする「新規事業戦略」
1年目は、色々な業界のテーマをやりました。
中長期計画、海外支援、M&A関連、国交省のトラックの運転を効率化するという数億円規模のPJをやりました。
PJ毎にメンバーが異なり、自分なりに価値の出し方を検討する日々で、色々と経験を幅広く詰めたとは思いますが、専門性という意味では模索中でした。
2、3年目になると、昔から関心があった音楽、アニメ、漫画のようなエンタメ産業に携わったり、今は主流になっているMaaSというモビリティサービスの戦略策定等も幅広く経験しました。
新規事業の戦略策定で、自分が打ち込め、かつ強みも出せると考え、ここの領域で専門性を磨こうと思いました。
3年目後半から新規事業の戦略策定を基軸にしました。
たとえばエアラインの新規サービスや事業立案、中期経営計画のご支援、通信メディアの新規事業戦略等。
その際に戦略策定のご支援後、事業立ち上げまで支援してほしいということで、いわゆる伴走型の実行支援まで手がけました。
そのため、キャリアの中で新規事業を基軸にしながら、そこからお客様ニーズに合わせて立ち上げまでしていたというキャリアになります。

様々なプロジェクトを経てたどり着いた主軸とする「新規事業戦略」
EP4
書籍出版という「対外発信」による社会貢献の形
対外発信については、1年目から継続してレポートを書くことに携わっていました。4年目は書籍を執筆しました。
この経験は非常にコンサルティングに活きています。お客様と同じ目線で議論しても、お客様への価値は出づらくなっています。
お客様も論理的思考力は高く持っており、MBAホルダーも増えている。三井物産は社内でコンサルティングを行う子会社を立ち上げたりもしています。その一歩先をいく議論をできるようにするためにこの経験が活きたと思っています。
ちなみに書籍で何を主張していたかと言うと、様々な産業において企業の価値最大化を目指すためにはこうあるべきだよね、とか、GDPが伸びてないけど人って幸せに、豊かになっているよね、じゃあ違う指標で見たほうがいいんじゃない、ということを提唱したりしています。
EP5
所謂「企業戦略策定」を超え、国も巻き込み、お客様の成功にコミットする
専門性についてモビリティや新規事業の分野で少しずつ信頼されて、4年目で大きい案件のリーダーをまかせてもらいました。お客様は日本で時価総額10位ほどの大きい企業でした。
テーマはモビリティ業界での新規事業の立案及び立ち上げ。
4年目でリーダーをやる場合、小さい案件と思うかもしれないですが、規模で言うと1億円超えています。
日本は、グローバルのユニコーン企業のプラットフォームに対応できるようなサービスがない、じゃあ作ろう、というお客様の想いがPJの出発点でした。
お客様の社長が危機感を持っていて、UberEatsとかGooglemapとか皆さん使っていて日本でも普及していると思いますが、大体グローバル発で日本発のものがないことに危機感を持っていたこと。また、不確実性が高い世界の中で、本業じゃない安定的な収益も今後作っていかないといけない、そうしないと今後本業が倒れた時に厳しくなってくるから新しい収益を作らないといけない、という経営課題もありました。
最初は戦略策定のフェーズなので、お客様の社内チームを作っていただき、強みや事業領域検討といういわゆるオーソドックスな戦略策定からスタートしました。
それに必要な機能リソースは?どうやったら勝てる?どうやったらやれる?ということを議論していきました。
ここまでで戦略策定のPJとして終わる場合も結構ありますが、このあと実行まで支援してほしいということで、具体的な内容までお客様と一緒に議論していきました。
誰に、どんな価値を、どんな形で提供していくのか、お客様と一緒に決めていき、本当に儲かるのか?を確かめる事業収支モデルを一緒に作りましたし、それってできるのか?着実にやるにはどうしたらいいのか?という問いに答えるためアクションプランを作成していく。
戦略の見直しは常にやっていますがそれだけでなく、規制が厳しい領域のため国交省とのやりとりも行いました。実際にお客様に使ってもらわなきゃサービスとして良いか分からないということで、ある地域でアプリを使ってもらってフィードバックをもらい、改善するということまで一緒にやりました。
コンサルってこんなとこまでやるんだと思っていただけたら面白いと思います。

所謂「企業戦略策定」を超え、国も巻き込み、お客様の成功にコミットする
EP6
「お客様に真に寄り添う」を実現するNRIならではの3つの強み
NRIの強みは、豊富なナレッジ。これを活用して、2ヶ月という非常に短い期間で事業戦略を構築しました。お客様からは、仮説でもいいから戦略策定して早く走りたいと言われたので、十数年来のNRI内の専門家の知見も活かしました。
2つ目、我々は日本の消費者への洞察、つまり価値観がどのように変わっていくか、についての10年間1万人のデータを持っています。
これを使いながら、将来にも使えるようなサービスを考えようという議論をしました。
最後は、官民相互アクセス、つまり国、他の事業者への相互のアクセスを、非常に豊富に持っていること。
そしてITソリューション部門が隣にいるので、非常にクイックに実行支援に使うアプリの開発もできるというシステム開発面でもお客様は強みに感じてくれていました。
EP7
理念「顧客と共に栄える」が意味するもの
このPJではリーダーとして、日々議論して戦略やサービスを考えていました。
経営戦略本部の経営層の方と議論をして、どういう方向で進めるべきかを決めていました。
ぜひ、「3、4年目くらいのコンサルタントがどの立場の人と対等にディスカッションしていますか?」ということを、他ファームでも聞いてみてほしいと思います。
お話したような案件は他のファームでもあると思いますが、2~4年目という年次でどんな人とどんな役割を持ってやり取りするのか、がファームによって全く違うと思いますのでぜひ聞いてもらうと良いと思います。
私はPJリーダーつまり責任者として、数兆円企業の役員の方とディスカッションしています。社長とは、上のプロジェクトマネージャーが対話し、提案しています。通常の場合、10年目の仕事になります。
お客様から「言ってることは正しいけどできることから着実に前に進めたい」と言われ、絵に描いた餅になっていたと反省したり、社長にサービス案を提案した時に、「その案は面白いが、もっと高い視座で考えてほしい」といわれ、社長はやはり自分より高い視座で考えていたと反省しました。
プロジェクト後半に、「八木さんといて、メンバーが色々なところから集められて、最初は戦略策定のスキルとか全然なかったけど一緒にできてよかった、うちのチームにずっといてもらいたい」といってもらえ、嬉しかったことを覚えています。
バイネームで感謝される、というのがコンサルとして一番嬉しくてやりがいです。
最後に「ここまで一緒に考えてくれたから、今後も一緒にジョイントベンチャーを作ってやっていきたい」と言ってもらい、コンサルとしての役割も変わってきていると感じました。
EP8
まとめとして
社会人の成長は、人の教えよりはるかに自分の経験が大事です。
スポーツでは、例えば走り方やボールの蹴り方などプロセスが見えるので見様見真似が役に立ちやすいです。しかし、思考はプロセスが見えません。頭の中が見えないから、人に教わり、見様見真似はしにくい。経験学習が全てです。
だからこそ、豊富な経験を得られるという観点でNRIは自分にはとても合う成長環境でした。
また「NRIではプロフェッショナルになれそうか」という観点でもお話できればと思います。
まずプロフェッショナルの定義とは何かですが、従業員の逆だと思います。
ロナルド·コースが言ってますが、従業員とは、「企業の外部より内部に価値のある人間」で、つまり市場よりも現在の雇用主にとって価値がある人間のこと。
では、プロフェッショナルとは雇用主よりも社会、お客様に対して価値を認められていて、それによってお金を貰える人間だと思います。
つまり例えば今NRIがなくなってもお客様に価値を認められて、私自身がお金をいただけるか、というのがプロフェッショナルかどうかを計る一つの指標だと思います。
NRIでは対外発信を自由にできて、社会に八木という人間の考えを理解してもらえますし、予算の意思決定権を持っている役員の方とPJリーダーとして議論させてもらえたおかげで、お客様に対して私自身が色々と提案できる。だから今NRIがなくなっても、なんとか自分の名前で勝負するコンサルタントとして生きていけるんじゃないかと思っています。