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【Alternative Careers/Internships|社会人講師インタビュー】 研究者から戦略コンサル、そして大学発VCへ―理系博士が語る「問いを立てる力」とキャリアの選び方

理系の博士課程から、外資系の戦略コンサルティングファームに新卒入社。 その後、大学発ベンチャーキャピタルへとキャリアを進めたCさん(仮名)。 ビジネス知識ゼロの状態で就活コミュニティに飛び込み、戦略コンサルの内定を得るまで走り切った経験の持ち主です。 現在は本業の傍ら、オルタナではVC関連の講座やジョブの場にときどき参加し、後輩世代の就活やキャリア選択を支えています。 「技術を社会に届けたい」という思いと、「友人とのつながり」を大切にする視点から、キャリアと就活についてお話をうかがいました。

PROFILE
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Cさん  

【Alternative Careers/Internships|社会人講師インタビュー】 研究者から戦略コンサル、そして大学発VCへ―理系博士が語る「問いを立てる力」とキャリアの選び方

目次

EP1経歴と現在の業務EP2就職活動の振り返り

EP1

経歴と現在の業務

戦略コンサルティングファーム出身。オルタナでは、VC関連の講座や戦略コンサル志望者対象にケース・ジョブ講座を主に担当しています。 学部から大学院まで、一貫して理系の研究をしていました。専門は化学系で、博士課程まで進み、研究そのものはかなり好きでした。 一方で、論文を書いて学会で発表して終わり、という世界に少し違和感もありました。 「この技術が社会に出たら、どんなインパクトがあるのか?」という視点が、ずっと頭の片隅にあったからです。その問題意識もあり、新卒では外資系の戦略コンサルティングファームに入りました。 さまざまな業界や事業の「勝ち筋」を短期間で学べると思ったからです。数年ほど戦略コンサルとして経験を積んだあと、現在は大学発のベンチャーキャピタル(VC)に所属しています。 大学や研究機関から生まれた技術を持つスタートアップに投資し、経営の伴走も行う仕事です。 投資だけでなく、事業戦略や組織づくりの相談に乗ることも多いです。「技術を社会に出す」という、昔からのモヤモヤに向き合い続けている感覚があります。

EP2

就職活動の振り返り

博士課程の途中でポストの少なさを実感し、「一生研究だけでいいのか」「研究が社会でどう使われるかを考える方が好きかもしれない」と感じて就活を始めました。就活コミュニティで同世代や先輩の話を聞き、「キャリアは一度決めて終わるものではなく、組み合わせていくものだ」と知れたことは大きな収穫で、今も軸になっています。 就活当初はメーカー研究職や技術営業、シンクタンクなど幅広く見ており、「専門を活かせるか」「社会へのインパクトがあるか」を意識していました。その中で戦略コンサルは、短期間で多様な業界とテーマに触れ、ビジネスの地図を早く頭に入れられる点に魅力を感じました。コミュニティの先輩が楽しそうに働いていたことから「この人たちと同じ土俵で戦ってみたい」と思い、将来は技術と事業の間に出ていくための“通過点”として選びました。 就活では「自分の言葉で語る」ことに最も苦労しました。最初はネットで見たフレーズを並べてしまい、深掘りされるとすぐに詰まって落ち続けました。そこで研究の失敗やラボの人間関係、サークル・アルバイトなどを棚卸しし、「そのとき何を感じ、どう動いたか」を言語化したところ、面接での会話がかなり楽になりました。「うまくまとめる力」より、「自分の感情を思い出す力」が大事だと学びました。 内定はゴールではなくスタートであり、その先の数年をどう過ごすかの方が重要だと伝えたいです。また、一人で抱え込まず、友人やコミュニティで悩みを共有してほしい。特に理系博士は孤立しがちですが、完璧なキャリアプランを描こうとせず、大まかな方向だけ決めて、動きながら調整すれば十分。キャリアは“一筆書き”ではなく、つなげていくパズルだと思います。

EP3

なぜ講師をやっているのか

オルタナの講座やジョブに関わり続けているのは、単純に「恩返し」と「世代をまたぐつながり」を大切にしたいからなんです。就活期にオルタナからもらったものは、ケース面接のスキルだけじゃなくて、キャリアの考え方そのものまで含めて本当に大きかった。もしあのタイミングでオルタナに出会っていなければ、僕は戦略コンサルにも、今のVCにもたどり着けていなかったと思います。 だから、今は自分がその「土台側」に回りたい。そういう思いがある一方で、5〜10歳下の学生と話すと価値観の違いからむしろ学ぶことの方が多くて、自分の考えも常にアップデートされる。「教える側」というより、半分は「学びに来ている」ような感覚です。僕にとって講師の時間は、ある意味で自分への投資でもあります。 関わり方としては、毎週授業を持つようなコア講師ではなく、大学発VC、投資、技術と事業の橋渡し、といったテーマの講座にゲストとして参加するスポット型が中心です。戦略コンサルのジョブ最終回で学生のアウトプットにフィードバックしたり、運営メンバーから雑談ベースでキャリア相談を受けることもあります。オルタナは僕にとっては、母校に近いコミュニティで、必要なときに戻って少しだけ力になれたらいい──そのくらいの距離感が心地よいんです。 印象的なのは、参加者同士が自然につながっていき、ちょっと話した内容がきっかけで学生同士の議論が生まれていく瞬間ですね。個別で質問に来る学生を見ると、昔の自分が先輩に話を聞きに行った姿を思い出します。 運営と僕の関係も、単なる「講師と事務局」ではなくて、ときにはキャリアやスタートアップ、投資について真剣に議論する「一緒に考える仲間」です。大変な案件をなんとか乗り切ったとき、運営のメンバーから「大変な案件ほど、あとで一番のネタになるから」と声をかけてもらったことがあって、あれには救われました。温かさと厳しさが同時にある、この独特の空気こそが、僕がオルタナを大事にしている理由なんだと思います。

EP4

学生へのメッセージ

学生のみなさんへのメッセージを一つ挙げるとしたら、「ちゃんと人と話して、自分なりの仮説を持ってほしい」ということです。情報収集というとどうしてもネットやSNSに頼りがちですが、それだけだと似たような情報にばかり触れてしまいます。実際に社会人や先輩と話してみると、同じ「コンサル」「スタートアップ」という言葉でも、人によって中身がまったく違うことに気づきます。そのズレを感じること自体が、すごく大事な学びだと思います。 同時に、何となく動き出すのではなく、「自分はこういう環境だと力を発揮しやすそうだ」といったラフな仮説を一度持ってみてほしいです。その仮説を持ってインターンやOB訪問に行くと、一つひとつの経験から得られる情報の解像度が一気に上がります。完璧な仮説である必要はなくて、動きながら「ちょっと違うな」と思ったら修正していけばいい。その試行錯誤のプロセス自体が、結果的に自分らしいキャリアにつながります。 これからの時代は、「正しい答えを早く出す力」だけでは差別化が難しくなります。リサーチやスライド作り、単純な分析は、かなりの部分をAIが担えるようになっていくはずです。その中で人間に残る価値は、自分は大きく三つだと感じています。ひとつは「どんな問いを立てるか」。どこを論点にするかを間違えると、いくら精緻に分析しても意味が薄れます。ふたつ目は、「実装まで持っていく力」。たくさんのステークホルダーの中で、誰をどう巻き込み、どこに落とし所をつくるかは、最後は人間の経験値です。みっつ目は、「どんな世界を実現したいのか」という視座の高さ。コンサルや投資は数字を扱う仕事ですが、本質的にはその先にある社会や人の生活をどう変えるかを考える仕事だと思っています。 そしてもう一つだけ強く伝えたいのは、「友達を大事にしてほしい」ということです。スキルや肩書きはもちろん大事ですが、長い目で見ると、自分を支えてくれるのは人間関係です。就活がうまくいかないときに愚痴を言い合える友人や、将来一緒に何かを立ち上げるかもしれない仲間は、今同じ教室にいる人たちかもしれません。キャリアは一人で戦うものではありません。目の前の選考だけでなく、一緒に歩んでいく仲間との関係もぜひ大切にしてほしいです。そのうえで、自分なりの小さな「問い」を持ち続けてください。その問いこそが、これからのキャリアを形づくる原点になるはずです。